2026/10/10 17:29


コーヒーをひと口飲んだとき、ふわっと広がるフルーツのような香り。

イチゴやカシスを思わせる豊かな果実感。そして、やさしく広がる甘み。


今回KOTOBUKI COFFEEに仲間入りしたのは、中央アメリカ・グアテマラから届いた「グアテマラ オリエンテ ナチュラル」です。


このコーヒーの魅力は、なんといってもナチュラル精製ならではの華やかな香り。

KOTOBUKI COFFEEでは、その個性を楽しんでいただけるよう、浅煎り(Light Roast)に仕上げました。



コーヒーなのに、なぜイチゴのような香りがするのでしょうか。

その秘密を探し

ながら、一杯のコーヒーの向こう側にある物語をご紹介します。



■グアテマラは、山々に囲まれたコーヒーの国


グアテマラは、メキシコの南に位置する中央アメリカの国です。

国土には山々が連なり、標高の高い場所では昼夜の気温差が生まれます。

コーヒーは、こうした環境の中で育てられています。


標高や気温、雨の降り方、土壌など、さまざまな自然条件によってコーヒーの味わいは変化します。

グアテマラのコーヒーと聞くと、チョコレートやナッツのような香ばしさ、しっかりとしたコクをイメージする方も多いかもしれません。


しかし、同じグアテマラでも産地や加工方法が変われば、その表情は驚くほど違います。


今回ご紹介するオリエンテ ナチュラルは、そんなグアテマラのフルーティーな一面を楽しませてくれるコーヒーです。



■オリエンテってどんな産地?


「オリエンテ(Oriente)」は、グアテマラ東部に位置するコーヒー産地です。

今回のコーヒーは、マタケスクイントラやアヤルサなどの地域で栽培されたもの。


栽培標高は約1,500〜1,650mです。

標高の高い地域では、気温などの条件によってコーヒーの果実がゆっくり成熟することがあります。


その過程で、コーヒーの風味に関わる成分が形成されていきます。

ちなみに、今回の生豆には「SHB」という規格がついています。

これは「Strictly Hard Bean」の略で、グアテマラなどで使われる標高に基づいた等級のひとつです。


少し難しい名前ですが、高地で育ったコーヒーを示す規格だと思っていただければ大丈夫です。

もちろん、標高だけでおいしさが決まるわけではありません。


収穫するタイミングや、その後の加工も、コーヒーの品質を左右する大切な要素です。



■小さな農家が育てたコーヒーを、一つのロットに


コーヒー豆の名前には、特定の農園名がついていることがあります。

しかし、今回のオリエンテ ナチュラルは、ひとつの農園だけで作られたコーヒーではありません。

オリエンテ地域の小規模農家が育てたコーヒーチェリーを、輸出業者が直接買い付けて作られています。

「コーヒーチェリー」とは、コーヒーの木になる果実のこと。


私たちが普段コーヒー豆と呼んでいるものは、実はこの果実の中にある種子です。

コーヒーの実は、熟すにつれて赤く色づく品種が多く、見た目は小さなサクランボのよう。

農家の方々が育てた果実を収穫し、加工し、乾燥させることで、私たちが知っているコーヒーの生豆になっていきます。


一杯のコーヒーができるまでには、たくさんの人の仕事が関わっているんですね。


■ナチュラル精製とは?フルーティーな香りの秘密


今回のコーヒーを語るうえで欠かせないのが、「ナチュラル」という言葉です。

これはコーヒーの品種ではなく、収穫した果実を加工する「精製方法」の名前です。


コーヒーは収穫したあと、果実から種子を取り出し、乾燥させる必要があります。

その方法によって、完成するコーヒーの風味も変わります。


例えば、代表的な精製方法のひとつ「ウォッシュド」は、果肉を取り除き、水を使った工程を経て乾燥させる方法です。

比較的すっきりとした、透明感のある味わいになりやすい傾向があります。


一方のナチュラルは、コーヒーチェリーを果実の状態で乾燥させる方法です。


乾燥中には、果実や微生物の働きによってさまざまな変化が起こります。

こうした工程が、ベリーや熟した果実、ワインを思わせるような独特の香りにつながることがあります。


もちろん、ナチュラルなら必ずフルーティーになるわけではありません。

果実の熟し具合や乾燥管理によって、仕上がりは大きく変わります。


だからこそ、生産地での丁寧な仕事がとても重要なのです。



■完熟したチェリーを、あえてナチュラルに


今回のオリエンテ ナチュラルには、特に注目したい特徴があります。

それは、真っ赤に熟した良質なコーヒーチェリーを選び、ナチュラル精製に仕上げていることです。


一般的に、未熟な果実や状態のよくない果実が多く混ざると、雑味や好ましくない風味につながる場合があります。


今回のコーヒーは、ウォッシュドにも使用できるような良質な完熟チェリーを丁寧に選別しています。

そして、その果実をあえてナチュラル精製に。


ただ果実を乾燥させるのではなく、ナチュラルならではの豊かな風味を目指して作られているコーヒーなのです。

イチゴやベリーを思わせる華やかな香り。


その背景には、こうした果実選びや精製の工夫があります。


■KOTOBUKI COFFEEでは浅煎りに仕上げました


今回のオリエンテ ナチュラルは、KOTOBUKI COFFEEで浅煎り(Light Roast)に仕上げました。


「浅煎り」と聞くと、酸っぱいコーヒーをイメージする方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、浅煎りは深煎りに比べて酸味を感じやすい傾向があります。

しかし、コーヒーの酸味にはさまざまな種類があります。


例えば、レモンやグレープフルーツのような、キリッとした柑橘系の酸味。

一方で、イチゴや熟したベリーを思わせる、やわらかく丸みのある酸味もあります。


今回のオリエンテ ナチュラルで楽しんでいただきたいのは、後者のような果実感です。

この豆の持つ華やかな香りをできるだけ活かしながら、甘みとのバランスも楽しんでいただけるよう、浅煎りを選びました。


浅煎りは、ただ酸味を強くするための焙煎ではありません。


コーヒーが本来持っている果実のような香りや、産地ごとの個性を楽しむための焙煎でもあるのです。



■イチゴ、カシス、チョコレート。コーヒーなのにフルーツの香り?


このコーヒーの風味を表す言葉として、KOTOBUKI COFFEEでは次の3つに注目しています。

Strawberry — イチゴ

熟した赤い果実を思わせる、華やかで甘酸っぱい香り。


Cassis — カシス

イチゴよりも少し深みのある、濃厚なベリーのような果実感。


Chocolate — チョコレート

果実の風味を支える、やさしい甘みとコク。


これらはコーヒーに何かを加えているわけではありません。


コーヒーそのものから感じられる香りや味わいを、身近な食べ物に例えたものです。

こうした表現を「フレーバーノート」と呼びます。


ちなみに、仕入れ先のカッピングでは、浅煎りのオリエンテ ナチュラルから、イチゴやブルーベリー、ぶどう、ミルクチョコレート、はちみつのような甘みなども評価されています。


同じコーヒーでも、焙煎や抽出、飲む人によって感じ方は少しずつ異なります。

「イチゴの味が分からない」と思っても、気にする必要はありません。


いつものコーヒーより少しフルーティーだったり、甘い香りを感じたり。

そんな小さな発見を楽しんでいただけたら嬉しいです。



■少し冷めてからも楽しんでみてください


このコーヒーを飲むときは、ぜひ温度による味わいの変化にも注目してみてください。

淹れたての温かい状態では、華やかな香りがふわっと広がります。


少し温度が下がると、果実のような酸味や甘みのバランスが、より分かりやすく感じられることもあります。

コーヒーは温度によって、感じられる味わいや香りが変化します。

特に浅煎りのコーヒーは、こうした変化を楽しむのもおすすめです。


ぜひ、最初のひと口と、少し冷めてからのひと口を飲み比べてみてください。

もしかすると、同じ一杯なのに違った表情が見つかるかもしれません。



■一杯のコーヒーから、グアテマラを感じる


グアテマラ東部、オリエンテの山間部。

そこで育てられたコーヒーチェリーを、小規模農家の方々が収穫します。


真っ赤に熟した果実を丁寧に選び、ナチュラル精製によって仕上げる。

その生豆が海を越えて日本に届き、KOTOBUKI COFFEEで焙煎され、一杯のコーヒーになります。


普段何気なく飲んでいるコーヒーにも、産地の自然や、生産に関わる人たちの仕事が詰まっています。

今回のグアテマラ オリエンテ ナチュラルは、そんなコーヒーの奥深さを、華やかな香りから感じてもらえる一杯です。


「浅煎りって酸っぱいんじゃないの?」


そんなイメージを持っている方にも、ぜひ一度試していただきたいコーヒーです。


イチゴやカシスのような果実感を探しながら、ゆっくり味わってみてください。

きっと、コーヒーの新しい楽しさに出会えると思います。